わたしは組織全体を語るよりも、 そこにいる個人の課題解決のサポートを得意としている。なんならバーチャル上司として張り付きたいくらい(笑)

ただしその対象がマネージャーで、悩みが「部下が話を聞いてくれない」のであればそこに関わることは、結果としてチームに関わることになる。ま、どこからアプローチかけるかの違いなだけで組織開発だろうが、なんだろうが目指す成果は同じなのだと思っている。

日本はなんていうか、タテ社会の伝統が長く、どうも つねに命令は上から下に流れて、それを受け入れて人は動くものという幻想が根強い。

でも着実に、30代以下から人種が変ってきている。

だから上司⇒部下のコミュニケーションも、水が流れるように素直には入って行かないし「意味は考えずにとにかくやる」ってことが通じなくなっている。まあ、あからさまに逆らうことはなくても、「おざなりにやる」というアリバイ工作仕事になって結果として、

上司が描いている成果 とは程遠いものになって、上司は頭を抱えているのではないだろうか。(で、やっぱりわたしが自分でやらなくちゃだめだ、と巻き取るパターンにより、上司は疲弊している)

そんなタイプの相談を、先日も受けた。わたしはその人のここ1年の試行錯誤も知っているし、努力して変化したところもわかる。全然出来なくて、でもやらなければならずに、焦っているのも知っている。それを知っているからこそ、その人がいう「〇〇を~~したいんです」に込められた思いがよくわかる。

だが、

そのコンテキストをまったく話さず、全く知らない部下や別部署の人間に「〇〇を~~したいんで、協力してよ」と言っても、まったく違う受け止め方をされ「意味不明」とスルーされるかアリバイ的な賛同しか得られないか、ってことになってしまっている。それで困っていた。

この人はその職場では優秀な人として認識されているから「なにも苦労せず、なんでも出来るんでしょ」って思われてしまっている。

「あの人は自分でなんだってやっちゃう人だから」と遠巻きにされ、協力を求めていることが自分ごととして受け止めてもらえないでいる。

「たしかに・・・弱みとか、出来なくて困ってることとか、言わないですね」「それを言うのは、上司として甘えだと思われるかなとか思ったりしてますね」

今できないから甘えたい、ではなくて自分も出来なかったけど、こうやってきたんだ、昔からできたわけじゃないんだ、は、もっと伝える必要があるのでは?

そこ、すっとばして「正解を押し付ける」と相手にはほとんど伝わらないことになってしまいます。

新入社員がたくさん入社してきた時期ですが、相手に「成功体験」だけを伝えても、なかなか伝わっていきません。苦労してできるようになったプロセスをぜひ、共有してあげてください。上司のみなさんご自身のために。