週末にキャリコン仲間との勉強会であれこれ聞いた話から思ったことです。


勉強会では「会社の中の人」としてキャリアコンサルタントをやっている人が多いのですが、
その仕事は対外的な場面(たとえば派遣スタッフの面談とか、就活指導とか)で使っている人が多くて、一定の業務上の枠組みの中で発揮されている。
でも、キャリコンの仕事って当然それだけじゃなく、社内の人(同僚や後輩や、ときには先輩に)のキャリア相談に乗ることだって可能です。
ただ、そんな形で社内キャリア相談室まで設けている会社はあまり多くないです。あるといいのにね。


もちろん、少ないけど社内でキャリア相談の場づくりをしている人はいます。

オフィシャルにやれている人はあまり多くはないけれども、実践している人の話を聞くと、「最初は不安だったけれども、相談してみたらすごくよかった」という声が寄せられるみたいですね。特に若い人から。
そりゃそうだと思います。

職場の中って上司に言えば「直接的なアドバイスや指示」になりがちですし、先輩も同僚も毎日顔を合わせているからこそ、言いにくいことはたくさんあるでしょう。
だから各社とも、メンターという「斜めの関係性」を作ってフォローしようとしているのですし。

でも、年下相手の相談業務は成立しやすくても、年上(上司も含めて)相手だと、中の人では難しくなってきます。
「なんで(年下の)あなたに言わなくちゃならないんだ?」ってなるでしょ?


じゃあ上司に悩みがないかと言えば、そんなことはなく!むしろ上司のほうが悩みが深いという現実があります。
課題は多いし、やることはどんどん増えるし、部下は思うようには動かない(教え方もわからないし)。
そういうとき、上司は意外と孤独で、たとえば同じ役職の同僚に言えるかと言うと、簡単なことは言えても深い話はむずかしかったりします。


ここは外の人の出番だろうなと思うのです。

安全な第三者が一緒に課題整理をし、組織と自分のwin winを探すこと。


わたしたちキャリアコンサルタントは(個人差かなりあります)、コーチのような関わり方もします。
メンタルの問題から業績向上のヒント、部下育成の方向など幅広い話を「一緒に考え、整理し」「時には助言し」「動けるように背中を押す」のが業務の基本で、もちろん秘密は(たとえ社長命令で聞かれたとしても)守ります。


部下に言えない愚痴や、弱気な気持ちも安心して吐き出してもらいつつ、思いの種を拾い上げ、考えるためのサポートをする、キャリコンにはそういう役割があります(ということは、あまり知られていないし、やる人も多くはないけど、わたしやわたしの信頼するキャリコン仲間はやっている)。


外の人と中の人のどちらが「絶対にいいか」ということは言えない。どちらにもメリットデメリットがあります。
ただ言いたいのは、中でも外でも「キャリアコンサルタント」は、もはや「税理士」くらい必要な専門家なのではと思うのですよ(いいすぎ?)。

でもそれ、社内で誰かが資格を取りさえすればOKということでもないですし、適当に外から呼べばいいってことでもない(理想は、中にもいて、外の人とも適宜つきあっていること)。

手前みそ?になっていますね(笑)

でも、日々ご相談を受ける内容を聞いていると「もう少し早く、出会っていたらもっと気持ちが楽になって、いい仕事が早くできただろうに」って思う人が多いのです。面談スキル一つとっても「あーあ」って状況のまま、こじらせちゃっているの、もったいないことです。

自組織が求める「目的」にあう在り方を、ぜひきちんと考えて導入していくことで人材の早期離職を防いで、一人一人が元気で働けることにつながっていくとしたら、人事戦略上も必要だと思いませんか?