「人を導く仕事」や「何かを教える仕事」や「助言する立場の人」の最大で最終の大切な仕事は、手を離す ということです。

でもこれが出来ない人が多い。

多くの人に悪意はない、とわたしは思っている。それが子どもを心配する親でも、部下に細かく報告を求める上司でも、自分のクライアント(受講生)に口出しする講師やコンサルタントでも

 

でも多くの悪意のない人は、心配性で、懇切丁寧で、完璧主義者であったりして

「まだまだ、あの子(あいつ)はいろいろ揺れているから心配なんだ」などと言ったりしています。

知り合いのお嬢さんの親がまさにそんなタイプで、お嬢さんはもう30歳近いのに「あなたはまだ一人じゃ生きて行けないから」と一人暮らしはもちろんダメだし、門限まで決められている(社会人なのに)

そのくせ「もう大人なんだから、お母さんを助けて家事をやってちょうだい」という。なんという二重基準。

これって、つまり、たんに寂しいだけ です

たとえばある種の上司は、いつまでだって現場にいたくて現場で必要とされたくて、部下に「大丈夫ですから、任せてください」って言われてもわざわざ現場を見に行って「あ、ほんとは困ってたんです」って言われたがる傾向があります。(ほらな、やっぱりわたしが見てやらないと…みたいに)

だって、寂しいんです(自覚してないけどね)

自分が心配しているその相手が自立してしまったら自分の役割がなくなる、そんな風に思ってしまうわけです。いつまでも頼られたり、慕われたり、いてくれないと困るって言われたい、そんなところが誰しもあります。

 

でもそれじゃだめなんだな。

手を離したら、また、あなたはあなたを必要としている人や場があるから、あなたは外に目を向けて、手を開いていましょうよ。役割はなくなるのではなく、変化し続けるのですもの。

思い切って早めに手を放し(もちろん必要ならばサポートはするけれど)、相手が自分の足で立っていることを喜びましょう。そのほうが楽しいです。