すっかり日程が空いてしまいました。今月は研修が多い月ですね。

女性リーダー研修、コミュニケーションの課題解決研修、30歳キャリア研修などなど、20〜30人規模で続きます。

さて、組織は社員の成長のために研修を行うわけですが、

その過程でもったいないなと思うことはとても多いです。

 

今日は、コストをかけて実施する研修の成果を出すための、3つのNGポイントをご紹介します。

 

1、研修開発担当(人事ご担当)と研修講師の間で、十分に「目的の共有」が出来ていない

 

研修開発担当が意思を持って研修設計に関わっておらず、現場を見ていない上司の指示をそのまま講師に伝えることがあります。研修にはテーマによって必要な時間があり、そこを講師は考えてプログラムを作り込んでいます。

現場をご存じない上司から「この話題も入れておいて」という指示を受けてそのまま変更をすると、本来の目的が中途半端なうえ、追加分の効果も上がりません。もったいないことです。

 

2、受講生に「研修の目的」を十分に伝え、部門から「動機づけ」して送り出されていない(研修の価値が現場上長に理解されていない)

 

お仕着せの研修、階層別の研修によく起こります。

貴重な時間を使って研修に出すにもかかわらず「何しにいくんだっけ?」と面倒くさそうに職場から言われてしまう、職場からしょっちゅう携帯に連絡が入るなど、受講生の集中力を欠くことが起こったりすることで、受講生は研修に集中できず、また、研修参加を支援されていないと感じ、研修そのものへの価値を感じられなくなります。もったいないことです。

 

3、当日の現場で研修開発担当が席を外しがちになり、講師にお任せ状態になる

 

講師としては現場で何が起こったのか、受講生のふるまいはどうなのか、そのことにより研修の事前打ち合せは十分だったのか、課題は適切に理解されていたのか、そこに十分に応えるプログラムになっているのか、評価をいただきたいと思っています。

しかし、お忙しいこともあって、研修現場から席をはずす、いていただいても別のお仕事をされている、という状態が往々にして起こり、研修評価は「受講生アンケートだけ」という結果になることもあります。

受講生の受講直後の評価は一面でしかなく、組織が求める気づきと行動変容につながるかどうかは、受講生の「その場の印象」だけでは測れないものです。むしろもやもやとした終わり方になっていても、受講生がじっくり考え、後日ハラオチし、行動が変わっていくという研修を創り出したいものですが、その現場にいてその場の受講生の様子を、肌で感じていだかないと、ほんとうにそのプログラムでよかったのかどうか、ご担当者さまにわからないことになります。もったいないことです。

 

いかがでしょうか。

まだまだ「モッタイナイ」はあるのですが、代表的なものをご紹介いたしました。

研修講師はお仕事をお受けした以上、どんな状況でも現場で最適なものをご提供するのは当然のことです。

しかしながら、より成果の出る場を作る上では、研修開発担当者様とわたしは、パートナーだと考えております。同じ目的に向かって、最適な成果を出せるように、忌憚のないご意見もいただきながら、現場の課題を解決する、そんな関わり方をできれば幸いです。

みなさんの貴重な経費を、十分な成果につなげられるよう、現場が「研修なんてやっても変わらない」と思わず、よろこんで社員を送り出していただけますように

柴田 朋子