よくお仕事を一緒にやってる会社の担当者が入社3年目で、でもそんな気配もまったくないほどの仕事をしている。もちろん若いのでいろいろぶつかるし悩むし、視野が狭いところは多々あるけれども、そりゃもうほんとに頑張っている。常に全力背伸びで足がつってるんじゃないかってくらい(笑)。

一方、研修でお邪魔する職場はほんとにいろいろなのだけれど、たとえばこんな言葉がよく出てくる。
「上司がやらせてくれない」「〇〇の仕組みがないからできない」「まだ経験が浅いので自信がない」「頼れるリーダーの元で働きたい」

さあこれは何歳のセリフ?38歳、45歳、42歳、51歳のセリフです(実話)。

冒頭の3年目の人はつまり25歳で、バリバリの若手にあたる。世間的にみればほんとに下っ端だ。後者は中堅以上で一通りの仕事は回せる大人だ。なのにこの姿勢の違いはなんだろうか。でもこれ別に特殊な事例ではないよ。

わたしが新卒で入社した会社は当時まだいろいろ整っていなかったこともあり、大卒の新卒(23歳)はすぐにリーダーっぽいことをさせられた。現実の職階がそうだったということではなく、アルバイトのスタッフが多くいるので正社員なんだからそのくらい当然やるよね、という空気と期待がのしかかってくる状態だったということ。

わたしはまったくできない子ちゃんだったから、それはもう日々背伸びしすぎてもおいつかない。でも、気持ちだけはしっかりと注入されたよね。「年齢じゃなく結果を出す行動をできるかどうかを見られている」と。

実際は、口先女だったし行動力ないし、そんなわたしにはほんとにキツイ環境だったと思う(ただ辞めないで居残ってなんとか途中から盛り返せたのは自分をほめたい・笑)。

それから16年後、転職をして環境ががらりと変わり、新しい職場での初日に遠くから知らない部署の年長の女性に「ちょっとそこの若い子!」と言われた。え?見えてます?わたし38歳ですけど!と脳内で衝撃を隠せなかったんだけど、相手は薄暗い廊下の奥から見ていたのと、4月に「見たことない人間がいる」といえば「とりあえず若手だろう」と判断したんだと思われるが、ところ変われば常識が違う・爆(一応、最初の配属部署ではこれでも一番若手だったし・笑)。

若い子っていわれて雑多な作業(リクルート時代は最初からアシスタント的に気が利くアルバイトさんがたくさんいたので、わたしはそういうことをやってない)をしているうちに、マインドがどんどん「指示待ちの人」に変化していくのが怖かったのをよく覚えている。

まあ、とはいえ20代30代に鍛えられたおかげで、その状況には染まらず(でもいいところはたくさん学んだ=感謝している)いたので、今があるよね。

今日は、人はできるようになってから任されて育つのではなく、任されたり期待されたりしているうちに育つという当たり前の話を書いている。そしてそのとき、「わたしはまだ~~だから」と言ってまわりの楽なほうを見て、「こんくらいでいいでしょ」と思っていることは、とてつもなく危険だということは知っておくといいね。

中堅世代になっても役職も責任もなく、文章のてにをはを☑されている人もいれば、25歳に満たなくてもたくさんの人をまとめて仕事している人もいる。それぞれの普通は相当に違う。もちろん促成栽培されたらいいとか、ゆっくりだったらダメとかそんなことは言わない。いろんなパターンがあるのはOKだ。ただ、年齢じゃないよねってことは、仕事を任せる側も受け取る側もわかっておいたほうがいいなと思う。

ほんとにね、人って「これくらいは当たり前」って言われて期待されると、ほんと激伸びするんだよなあ。成長痛が痛いけど(笑)。みなさんのところの若手に、ちゃんと痛みを感じられるような「期待」を伝えて任せていますか?

 

 

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