若手のキャリア研修をするとよく出てくる話題は
「こんな風に自分の仕事をきちんと振り返って話したり、ほめられたりしたことはない」
「自分が何をどうしたいか、ということを丁寧に聞いてもらったのは初めて」
「今日あらためて、自分がいったい何をダイジに思って仕事してきたのかわかった」
ということだったりします。
そういうとき、いい話しをしているばかりじゃなく
上手くいかなかったことも含めて「自分の過去をデータとみなして」
互いに分析的に見ているのですが、それでそんな話しになる。
それなりの大きな会社は、だいたいが上司と部下のキャリア面談っていうのがあって
おそらくは人事がそうやって「しなさい」といい「シート」みたいなのがあるわけですが
普段、上司とは話してますか
こういう話しはいつするんですか
と聞くとたいていは「キャリア面談・・・かなあ。まあ、年3回ですけどね」(苦笑)って答えが返ってきます
そういう改まった場で、いきなりそんな深い話をうまく自己表現できる人は
そもそも自分のキャリアのことなど迷わないし、キャリア自律デキテいる人になります。
面談は、それに対して上司(組織)の要望をすりあわせることを話し合えばいい。
でも、
日常的にまったく話せていないと、そもそもそこの距離を埋められないので
安心して自己開示などもってのほかだし、
上司も、部下の「仕事観」とか「どんなことを動機として働いているか」とかわからないし
それを問いかけるスキルなど、普通はあんまりない
よほど部下という人間に興味を持っていれば別だが
そういう人はそもそも、日常から部下と話している(堂々巡りw)
職場のコミュニケーションを工夫して部下の話を聞くように、
いくら人事が旗を振っても
「面談はちゃんとやってます」って答えだったら意味はないです。
いや、部下だってもちろん、話しかければいいのですが
一言で済むことをメールで送ったりするのです(苦笑)
上司としてはやることが大量にあって、プレーヤーとしての自分が優先になっていますね
どちらが悪いと言ってても始まらないので
動けるほうから動くしかないのです。そしてそれは権限のあるほうに、より責任はありますよね。
忙しいってみなさんおっしゃいますが、それはもうほんと、
「ここに時間を掛けることが、のちのちの仕事の質と職場の環境整備の役に立つ」
そういう意思決定をするしかないのです。
以前読んだ「会社の中はジレンマだらけ」という本の中で
ヤフー執行役員の本間氏が上司と部下の1on1ミーティングについて語っています。
そこで上司は部下の仕事の話し以外に、好きなことなども聞くのだとか。
週1回、必ず行っているようですが
これだけでメンタル対策が充実し、成果が出ているのだとか。
「上司が黙って話を聞いてくれただけでモチベーションがあがった」
そんな声も寄せられているらしいです。
あのヤフーの管理職が、ヒマはわけはないはずよね(笑)
職場のチームはいわば目的のもとに集まった「かりそめ」のもの
家族のように生まれたものではないのだからこそ、
こういう確認作業が、日々の中で大きな力になっていくのではないでしょうか。