公務員のみなさん(教員も含みます)との月一学びの会、公務員人材開発研究会を主宰しています。気がつけば昨夜で4年めに突入しました。こんな状況なのでオンライン開催にしたところ、全国から人材育成に関心のある(問題意識の在る)公務員が集まってくれて、30人近い参加人数となりました。

昨夜のテーマは「リモート化の中で部下とのコミュニケーションにどんな課題があるか」です。これって、公務員に限った話じゃありませんよね。

リモートや分散出社が実践されている職場が多くみられ、当然ながら日々顔を合わせていたころとは仕事の進め方に変化があります。でも、参加者の話を聞いていると「今は非常時」ということにとどまっていて、抜本的にこの働き方で成果を出す方法や、それに伴う部下とのコミュニケーションの在り方まで踏み込んで対応している組織は多くない印象です。オンライン会議やチャットツールの導入なども、ほとんどなされていなかったようです(まあ民間も一部を除いて似たり寄ったりですが)

そこが課題だということを、参加した全員が感じ、具体的にどう取り組むのかを率直に伝え合い、考えた夜でした。最後にはそれぞれが翌日から何を実践するか、を決めるところまでやったので、きっと来月以降にその結果の「うまくいったこと」「難しいこと」を学びの素材に出来ると思います(どんな学びも実践なくしては無意味ですから)。

昨夜わたしがみなさんの話を聞いていて最後にお伝えしたのはこんなことです。

今、この状況で必要なのは、学習棄却(アンラーニング)
自分が知っている「これまでうまくいっていたやり方」を微調整して対応するのではなく、まったく新しいやり方を作っていく必要があります。そのためにも「過去の学習を一度捨てる必要」があります。

その中でまず、すべての「使いがちな言葉」の定義を改める(再定義する)ことが重要です。

たとえば

コミュニケーションって何から何までを指しているの?
報連相って、具体的にどのレベルのこと? といったことです。

そして、コミュニケーションの濃度を高める、ことは強く意識しておきたいところです。

これまでの(リアルの)コミュニケーションには「非言語」が相当含まれています。それが激減している今、リアルの3倍は濃厚なコミュニケーションをとってやっとトントンだと考える必要があるでしょう。

同時に、これまでは「結論だけをさっさという」のが正解だったかもしれないけれど、そのまえのプロセスや「クッションとなるやりとり」をもっと大事に考える必要があります。文字情報や画面越しに「結論は?結果どうなったの?」はキツイですよ。

一方で、儀礼的なものを省くことに、上の世代は慣れる必要がありそうです。なにがマナーなのか、なにがルールなのか、その決まりごとはほんとうに重要度が高いのか、あらためて前提から見直していく必要があります。「仕事中は余分なことをしゃべるな!」と言ってきたかもしれませんが、「リモートワーク中はもっと雑談をしよう」が正解かもしれませんよ。

コロナ禍をみなさんの職場がどう受け止めるのか、収束すればそれでよし、ではないですよね。これをよい機会に「なんとなくできているつもり」だった職場内コミュニケーション(特に上司と部下)がバージョンアップしていくなら、それは何よりの機会だと思っています。

 

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