ある職場で「女性リーダー育成」の研修ご依頼を受けました。
主旨は、昇進試験を受ける女性を増やしたい、ということでした。
人事としては、ここ数年、女性活躍推進の一環で、主任試験を受ける女性を増やしたいと思っているものの、受けることを辞退する女性社員が多いので困っているとのこと。

研修当日。
朝からすこし重苦しい空気の中、それでも久しぶりに女性ばかりで集まり、さまざまな仕掛けでお話いただくなかで、徐々にみなさんの本音が出てきました。

みな、責任ある立場をやりたくないわけではなく、ただ、働き方が不安であったり、職場の男性上司の期待が感じられなかったりと、いろいろなジレンマを抱えていました。

「当事者意識」「主体性」をキーワードに、自分が今なにから挑戦するのか、そんな思いを1日かけて考え、発信し、お互いを励まし合いとてもいい一日を過ごすことができました。人事の方からも高評価をいただき、参加した女性の明るい表情を見ることができ、お互いに充実した一日となりました。

ところがその後、聞こえてきた話はとても残念なものでした。
研修後に職場に戻り、研修報告をした女性たちの思いに水を掛けるような上司が多数いて、
「そんなに頑張らなくてもいいよ」
「100%仕事に向けないのであれば、昇進はムリだから」
「何を聞いたか知らないけど、職場で新しいことやろうとしないで」
そんな言葉を受けて、研修を受ける前よりもモチベーションが下がってしまった女性たちがいると。
(この話は、人事の担当者様からではなく、現場の女性の一部から直接知らされました。その後人事の方と対応策について話しあったのですが)

 
もしも、こういった研修を企画するのであれば、人事と当該女性だけではなく、職場を巻き込む設計をしていかないとほんとうにもったいないことになります。

その全体デザインからお手伝いさせていただきたいなと、強く思った事例でした。

最近、この観点でも面白い研究結果が発表されています。ご参考まで↓

https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/news-releases/nr20170303.html